中小企業庁および東京都の補助金・助成金の公募がまもなく続々と始まります。
東京都の中小製造業が設備投資に利用できる補助金・助成金として、代表的なものは下記の4つでしょう。
- 事業再構築補助金(中小企業庁)
- ものづくり補助金(中小企業庁)
- 躍進的な事業推進のための設備投資支援事業助成金(東京都)
- 明日にチャレンジ中小企業基盤強化事業助成金(東京都)
では、これらの内、どれを選択して、申請の準備を進めるべきでしょうか?
結論から申し上げると、現時点では、東京都の2つの助成金を優先的に検討するべきです。
以下、ご説明いたします。
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補助金・助成金の比較
検討の方針
事業再構築補助金 ”しばらく様子見”
事業再構築補助金は、従来通りならば、補助上限額が最大1億円を超える大型補助金で、他の補助金と異なり建物費なども対象となるため、非常に魅力的です。
しかし、行政改革推進会議の「秋の行政事業レビュー」で有識者から様々な指摘を受け、現在、制度の見直しが行われています(参照:事業再構築補助金)。
日刊工業新聞によると、6枠あった申請枠が、「成長分野進出枠」「サプライチェーン強靱化枠」「コロナ回復加速化枠」の3枠に集約されるそうです。
ただし、3つの申請枠の要件、補助上限額や補助率などについては、公表も報道もありません。また、公募開始の時期もわかりません。
これらの情報が明らかになるまで、しばらく ”様子見” するしかなさそうです。
ものづくり補助金 17次締切(オーダーメイド枠)の公募開始! ”要件等の確認と申請の可否判断”
1.新・ものづくり補助金の概要
ものづくり補助金では、中小企業庁から制度の変更が公表されました(参照:新・ものづくり補助金の概要)。
申請枠が、「省力化(オーダーメイド)枠」、「製品・サービス高付加価値化枠」、「グローバル枠」の3つに集約されます。
また、「製品・サービス高付加価値化枠」は、「通常類型」および「成長分野進出類型(DX ・ GX)」の2つの類型に分けられます。
2.17次締切(省力化(オーダーメイド)枠)の公募開始!
2023年12月27日に、省力化(オーダーメイド)枠の公募が開始されました(参照:ものづくり補助金(17次締切)の公募開始!)。 以下、ポイントを挙げます。
- 補助対象は、オーダーメイド設備に限定されています。
- 補助上限が最大1億円まで大きくなり、目を引きます。
- 審査については、高額の案件に限定してWEBでの口頭審査(面接)が導入されます。
- 事業実施期間が2024年12月10日までと極めて短くなりました。オーダーメード設備の発注~納品~支払いから実績報告までを締切までに完了する必要があります。
他の申請枠についても2024年1月には公募が開始されるのではないかと予想されます。
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躍進的な事業推進のための設備投資支援事業 ”有力候補として申請準備”
助成上限額は1億円、助成率は3/4以内で、大型の設備投資をする場合に非常に魅力的な東京都の助成金です(参照:第6回募集)。
対応に困る申請要件も特にありません。
競争力強化を目指す事業であれば「競争力強化/ゼロエミなし、賃上げなし」の事業区分で申請が可能です。
助成対象経費が、機械装置やソフトウェアに限定されること、事業実施場所が関東圏の工場等に限定されるなどの制約はありますが、魅力的な助成金と言えるでしょう。
本助成金ではこれまで、年度が変っても制度が大きく変更されることはありませんでした。
第7回募集でも、第6回募集とそれほど変更はないと思われます。
第7回の募集開始は、例年通り、3月中旬になると思われます。
生産性向上などを目的とした設備投資の場合は、本助成金を有力候補として検討し、申請準備を開始されてはいかがでしょうか。
明日にチャレンジ中小企業基盤強化事業 ”有力候補として申請準備”(受注型中小企業の場合)
自社の技術・サービスの高度化・高付加価値化に向けた技術開発等の取組が支援する東京都の助成金です(参照:明日にチャレンジ中小企業基盤強化事業)。
受注型中小企業(下請企業)を対象としており、助成上限額は2,000万円、補助率は2/3以内です。
最終消費者に直接提供される製品・サービスに関する取組は対象になりませんので、そのような企業様は他の補助金・助成金を検討しましょう。
製品の試作等も想定して、助成対象経費に機械装置・工具器具費等だけでなく、原材料・副資材費なども含まれるのが特徴です。
事業実施場所が関東圏の工場等に限定されます。
本助成金ではこれまで、年度が変っても制度が大きく変更されることはありませんでした。
2024年度も、2023年度と変更なく、公募されると思われます。
2024年度第1回の公募開始は、例年通り、2月中旬になると思われます。
受注型中小企業(下請企業)で技術開発の要素のある取組をされる場合は、本助成金を有力候補として検討し、申請準備を開始されてはいかがでしょうか。
まとめ
国の補助金(事業再構築補助金やものづくり補助金)では、2024年度は大掛かりな制度変更がなされます。
しかし、現時点では、公募情報等が十分に公表されていません。
申請要件などが公表されるまで、申請の可否判断は保留するのが賢明であると思われます。
一方、東京都の助成金(躍進的な事業推進のための設備投資支援事業、明日にチャレンジ中小企業基盤強化事業)では、従来、年度が変わっても制度の大きな変更はありませんでした。
従って、本年度の制度が来年度も引き継がれることを前提として計画を立てることができます。
躍進的な事業推進のための設備投資支援事業、受注型企業であれば明日にチャレンジ中小企業基盤強化事業を含めた東京都の助成金への申請を検討されてはいかがでしょうか。
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