次世代イノベーション創出プロジェクト2020助成事業

※2019年にご案内したコンテンツです

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助成事業の概要

2019年7月1日、2019年度 次世代イノベーション創出プロジェクト2020助成事業の募集が開始されました。東京都中小企業振興公社のWEBサイトで事業説明会や申請の予約が開始されました(チラシ)。

 

次世代の産業を牽引するような都内中小企業による技術開発要素のある大型開発プロジェクトを支援する事業です。東京都が毎年策定している「イノベーションマップ」で示された開発支援テーマに基づき、中小企業を核とした連携体(他企業・大学・研究機関等)が行う技術・製品開発に要する経費の一部が助成されます。助成対象期間は2020年1月1日から3年以内、助成限度額は8,000万円、助成率は1/2です。

 

本年度のスケジュールを確認しておきましょう。

 

7月23日~8月02日 説明会

7月01日~8月06日 申請予約

8月19日~8月26日 申請書類の提出

 

7月中旬までには申請書の作成に着手しておきたいですね。

 

申請書類を提出した後は、以下のスケジュールで審査・採択になります。

 

9月上旬~10月下旬 一次審査(書類)

12月中旬 二次審査(面接)

2020年2月上旬 助成対象者決定

 

来春、採択通知をいただけるように、質の高い申請書を作成し、適切な面接対応をしましょう。

予算額・申請件数・採択件数・採択率など

次世代イノベーション創出プロジェクト2020助成事業は申請件数に比べて採択件数が少なく、たいへんな「狭き門」となっています。毎年、採択件数は14~15件ですが、申請件数が93~131件と多いため、採択率は11.5~13.6%で推移しています。なお、予算額は平成27~28年度は800百万円でしたが、平成29年度以降増額され、960百万円となっています。

 

項目 平成27年度 平成28年度 平成29年度 平成30年度 平成31年度
予算額 (百万円)  800 800 960 960 未確認 
申請 (件数) 131 93 110 未公表 募集中
採択 (件数) 15 14 15 15
採択率 (%) 11.5 15.1 13.6 未公表   ―

予算額・申請数・採択数・採択率の推移

(出典:(公財)東京都中小企業振興公社 事業計画・収支予算および事業報告

事業の要件

次世代イノベーション創出プロジェクト2020助成事業に申請するためには、以下の要件をすべて満たす必要があります(募集要項 p2)。

 

イノベーションマップ

イノベーションマップに掲げられた開発支援テーマに合致した技術・製品の研究開発であることが求められます。イノベーションマップとは、東京都が「2020 年に向けた実行プラン」で示された都市課題を解決するため、各分野における9つの開発支援テーマと技術・製品開発動向等を示したものです。

 

2.連携体

他企業・大学・公設試験研究機関等との連携(委託、外注、共同研究によるノウハウ等の活用)が含まれていることが求められます。都内中小企業を中心とした連携体が、双方の知見・ノウハウ等を活用しつつ、新たな技術イノベーションを創出することが期待されています。

 

3.統括管理者

申請者と東京都中小企業振興公社の窓口として、事業全体の進捗管理や必要書類の管理等を全面的に担当する「統括管理者」を1名設置することが求められます。

 

4.実用化

早期に実用化(販売等により収入が発生すること)を目指す研究開発であることが求められます。早期の実用化が難しいとみなされた場合には申請は採択されないと考えたほうがよさそうです。

 

申請にあたっては、上記の要件を十分に満たしていることをよく確認しましょう。

開発支援テーマ

イノベーションマップで定められている開発支援テーマは9つです。

 

募集要項 p3に開発支援テーマごとに技術・製品開発の例示が記載されていますのでご紹介します。どのような技術・製品が対象になるのか、イメージアップするのに役に立ちます。

  開発支援テーマ 技術・製品開発の例示
1

防災・減災・災害予防に関する技術・製品の開発

構造物の耐震強化技術、火災・防火対策技術、無電柱化に関する技術・ 製品、安否確認システム、災害情報収集・自動処理・配信システム、避 難生活に関する技術・製品 等 
2

インフラメンテナンスに関する技術・製品の開発

非破壊検査技術、モニタリング技術、自己修復材料等の新素材、その他 補修技術 等 
3

安全・安心の確保に関する技術・製品の開発

緊急通報システム、各種センシング技術、防犯カメラ・画像解析システ ム、侵入検知・出入管理システム、次世代ホームセキュリティ、情報セ キュリティ、個人認証技術 等 
4

スポーツ振興・障害者スポーツに関する技術・製品の開発

各種スポーツに関する技術・製品、障害者スポーツに関する技術・製品、 e-スポーツ振興に関する技術・製品、バリアフリー・ユニバーサルデザ インに関する技術・製品 等
5 子育て・高齢者・障害者等の支援に関する技術・製品の開発 スマート家電、リモートワークや子ども等の見守り技術、義肢・装具、 パーソナルケア関連用具、コミュニケーション機器、移乗・移動支援機 器 等 
6 医療・健康に関する技術・製品の開発

画像診断システム、生体現象計測・監視システム、医用検体検査装置、 処置用機器と生体機能補助・代行機器、各種医療器具、健康管理システ ム、健康機器、遠隔診断・モバイルヘルス、ゲノム情報や健康データを 活用した疾病予防 等 (※薬機法に規定する医薬品・医薬部外品及びそれに類するものは原則対象外)

7 環境・エネルギーに関する技術・製品の開発 エネルギー管理システム、水素エネルギー・再生可能エネルギーに関す る技術、コージェネレーションシステム、EV に関する技術・製品、蓄電 池、リサイクル技術 、VOC検出・処理技術、水質改善技術、空気浄 化技術 等 
8

国際的な観光・金融都市の実現に関する技術・製品の開発

多言語翻訳・音声翻訳、コミュニケーション支援技術、案内ロボット、 屋内ナビゲーションシステム、AR・VR 技術、五感再現技術、テレプレゼ ンス・ホログラフィ、キャッシュレス決済、ブロックチェーン、クラウ ド会計システム 等 
9

交通・物流・サプライチェーンに関する技術・製品の開発

カーテレマティクス・コネクティッドカー、安全運転支援装置・システ ム、移動サービス、倉庫内作業・在庫管理・検品の自動化技術、物流最 適化システム、デバイス連携・データ利活用技術、シェアリングサービ スに関する技術・製品、次世代産業用ロボット、ワイヤレス充電技術 等

開発支援テーマごとの技術・製品開発の例示 (出展:募集要項 p3)

毎年、どの開発支援テーマでどのような申請が採択されたのかが公表されています。「医療・健康」「環境・エネルギー」テーマで採択が多かったようです。

 

開発支援テーマごとに何件採択されたのかについてまとめましたので、参考にしてください(平成27~29年度は12テーマに分類されていましたが、平成30年度の9テーマに読みかえて当てはめています)。

開発支援テーマ 平成27年 平成28年 平成29年 平成30年 合計
1 防災・減災・災害予防 1   1   2
2 インフラメンテナンス   1 4 2 7
3 安全・安心の確保 3 2 1 1 7
4 スポーツ振興・障害者スポーツ 2 1 2 1 6
5 子育て・高齢者・障害者等の支援       1 1
6 医療・健康 5 8 5 5 23
7 環境・エネルギー 4 2 2 2 10
8 国際的な観光・金融都市の実現       1 1
9 交通・物流・サプライチェーン       2 2
合計 15 14 15  15  59

開発支援テーマごとの採択件数の推移

申請書の作成

助成金をいただくには、申請書を作成し提出する必要があります。提出した申請書は、一次審査(書類審査)で審査されます。一次審査を通過しますと、二次審査(面接)があります。一次審査と二次審査の結果が総合的に評価され、採択されます。採択率は、前述の通り、11~15%で、かなり狭き門です。

 

申請書提出までのスケジュールを、再度、確認しておきましょう。

 

7月23日~8月02日 説明会

7月01日~8月06日 申請予約

8月19日~8月26日 申請書の提出

 

8月初旬までには申請書の作成に着手しましょう。

 

以下、申請書作成の手順や留意点についてまとめます。

 

 

1.申請書作成の手順

(1) 「申請前確認書」を確認する

念のため「申請前確認書」(募集要項  p21)の内容を確認しておきましょう。申請前確認書には11項目が挙げられています。どれかひとつでも該当しない場合、申請要件を満たしません。

 

(2) 「目的」を確認する

 この助成金は、東京都が政策を進めるために予算化されています。的外れな申請書を作成しないように、まず、助成金の目的をよく確認することが重要です。募集要項 p1に、次のように、助成金の目的が記載されています。

 

1.目的

本助成事業は、都内中小企業等が「イノベーションマップ」に基づいて、自社のコア技術を基盤と しつつも、他企業、大学、公設試験研究機関等、社外の知見やノウハウを活用して行う技術・製品開発を支援することにより、都内中小企業等の成長産業分野への参入を促進し、東京の産業の活性化を 図ることを目的としています。

 

※ イノベーションマップとは

東京が抱える課題を解決するため、成長産業分野における開発支援テーマと技術・製品開発動向

等を示した技術開発指針。東京都が策定。

 助成金の目的を踏まえ、申請書を作成するにあたり、以下に留意する必要がありそうです。

  • 「イノベーションマップ」をよく確認し、理解すること。
  • 「自社のコア技術」を明確にすること。
  • 「社外の知見やノウハウの活用」を訴求すること。
  • 「標的とする成長産業分野」を明確にすること。
  • 「東京都の産業の活性化」に留意すること。

 これらに留意して申請書を作成しましょう。また、作成した後にこれらの留意点に漏れなく応えているかどうか、よく確認しましょう。

 

(3) 「イノベーションマップ」を確認する

イノベーションマップ」には、開発支援テーマごとに、以下の項目が説明されています。

 

1. 現状・市場動向と課題

  1-1. 現状と課題

  1-2. 政策動向

  1-3. 市場動向

2. 今後成長が見込まれる主な技術・製品の動向

3. 引用・参考文献

 

「イノベーションマップ」をよく確認し、理解しましょう。また、申請書を作成する際にイノベーションマップに記載された内容を引用することができる場合は、積極的に引用したほうがよいと思います。

 

(4) 「審査の視点」を確認する

申請書を作成して提出しても、審査を通過しなければ採択されません。申請書に基づき、一次審査(書類審査)が行われます。 一次審査を通過した申請者に対して、二次審査(面接審査)が行われ、 総合審査会を経て 助成対象者が決定されます。

 

それでは、審査はどのような基準で行われるのでしょうか? 募集要項 p13に「審査の視点」という審査基準が記載されています。

 

 審査の視点 

 

 ア 経理審査(財務内容、事業予算など)

 イ 技術審査

・イノベーションマップとの適合性

・新規性(従来技術にない新しい開発要素など)

・優秀性(従来技術に対する優位性など)

・市場性(市場動向、ニーズの把握など)

・目標の実現性(技術的能力、社内外体制など)

・計画の妥当性(事業計画や資金計画の適切性など)

 

「審査の視点」は申請にあたっての「的」です。的外れな申請書を作成しないように、事前によく確認しましょう。また、申請書作成中にも「的を射ているかどうか」をよく確認しましょう。

 

(5) 「申請書類作成のポイント」を確認しながら申請書を作成する

「補足4 申請書類作成のポイント」(募集要項 p21~53)を確認しましょう。これは申請書の記載例です。実際には、これを見ながら申請書を書くことになると思います。よい申請書を作成してください。

 

2. 留意点: 統括責任者を事前に決めておく

申請書作成を統括する責任者を事前に決めておくことをお勧めします。

 

他企業・大学・公設試験研究機関等との連携による知見やノウハウ等の活用が求められるため、社外と協力して申請書を作成する必要があります。実際には、他企業の担当者や大学の先生方と役割分担を決めて、それぞれ原稿を作成した後に合体させることが多いのではないでしょうか。

 

複数人で原稿を作成する場合、誰かが全体的な一貫性に配慮して編集する必要があります。また、技術的に難解な文章などがあれば、わかりやすく編集することも必要になるでしょう。社外の方が書いた原稿などを編集するのは気が引けますが、予め関係者全員で統括責任者が編集権限を担うことを決めておけばコンフリクトも少なくなるのではないでしょうか。

 

また、二次審査(面接)でも統括責任者を中心に的確な対応ができるようになります。二次審査(面接)には数名出席できますが、社外の方の出席は認められていないようです。統括責任者が、社外の施設が実施する部分も含めて、事業計画の説明や質疑応答を的確に行う必要があります。

 

 

二次審査(面接)対策

国の補助金と異なり、東京都の助成金では、一次審査(書類審査)を通過した申請者に対して、二次審査(面接審査)が行われ、 総合審査会を経て 助成対象者が決定されます。一次審査を通過しても最終的に不採択になるケースも少なくはないようです。万全の準備を行なって、二次審査に臨みましょう。

 

1. 二次審査(面接審査)の形式

申請企業の役員または従業員3名が出席を許されます。連携先や経営コンサルタント等の社外の同席のは認められないようです。審査は、複数の審査員によって行われます。

 

二次審査は、次の2つのパートに分かれています。

 

①申請内容に基づくプレゼンテーション

②質疑応答

 

 それぞれについて、対策や留意点を説明します。

 

2.申請内容に基づくプレゼンテーション

申請者が10分ほどで申請内容に基づくプレゼンテーションを行います。

  • 申請を統括した方など、申請内容全体をよく理解している方が説明を行なうようにしましょう。
  • 事前に原稿を作成し、何度も説明の練習をしましょう。
  • 申請書に記載されている内容だけを簡潔に説明しましょう。申請書に記載のない内容を補足したりしないほうが無難です。補足説明をよく理解していただけなかったりした場合、逆効果になります。

3.質疑応答

複数の審査員からの質問に対して、端的に回答します。

  • 事前に想定問答集を作成して、ロールプレイ(審査員役と発表者)などにより何度も練習を行いましょう。
  • 想定問答集は、申請書に基づき作成しましょう。
  • 質問には、まず、申請書に記載した内容から回答し、さらに質問が続いた場合に補足しましょう。

4.留意点

最も重要な留意点は「申請内容に基づくこと」です。

 

面接対応は、申請書作成を主体的に行った方が行うようにしましょう。申請書は従業員が中心になって作成したにもかかわらず、面接で社長が口頭説明、質問回答を行ったりすると、申請書の内容からずれたり、矛盾したりすることがおこりかねません。

 

口頭説明の原稿や質疑応答の想定問答集は、申請書の内容のコピペで作成して構いません。このようにすると、口頭説明や回答内容が申請内容からずれたり、矛盾したりすることを防ぐことができます。

 

事前診断(無料)

事前診断のメリット

  • 想定している事業が当該助成金の対象となるのかどうかがわかる
  • 採択をとる可能性がどのくらいあるのかがわかる
  • 採択をとるためのポイントがわかる

事前診断の概要

  • 診断方法:訪問面談(2時間程度)
  • 東京都・埼玉県・神奈川県に本社のあるお客様(一部にご対応できない地域もございます)
  • 上記以外の地域のお客様につきましては、Skype等のクラウド・コミュニケーション・サービスを用いてご対応させていただきます。

 

お問合せ

下記までお電話またはメールでご連絡ください。

 

中小企業診断士 竹村 一太

090-2569-3896

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